農業生産の取組み

<農業技術開発> 

「水稲湛水直播栽培(無コーテイング種子散布)栽培」 

 私はこれまでに、農業生産(現場)、農業政策、関係機関、流通、販売に長く深く関わってきました。

農業は食糧生産という重要な産業であるために、特別な枠組の中で行われてきました。農業者は平等に、時には政治に利用され、猫の目農政と言われてきたように私どもも翻弄されてきました。結果としていつの間にか私自身が夢を持てない農業と考えてしまいました。

 地域では農家の激減がこれから始ります。これまで地域で農地を守ってきた大多数の農家の年齢は70歳を超えています。

このままでは、先人が食糧不足時代に開墾して築いてきた水田や畑が虫食いのように荒れ果てていくのです。

現実に耕作放棄された水田・畑が年々増えてきています。

 私は以前からこの時が来る、その解決方法はこれしかないと60歳になった時から実践を始めました。

それは、地域・農地所有者への訴えであり、この「水稲湛水直播栽培技術」の確立であります。

 この技術は、私も人生をかけて平成31年からスタートして、令和1年から30haに及ぶ実証試験栽培を行っております。

しかし、不明確な点も数多く、様々な失敗を重ね3年度において私なりに多くの問題究明が出来ました。これまでの通説により行ってきた作業管理方法も、様々な圃場条件下で行った結果、まったく意外な事が解ってきました。

 実証栽培において、圃場環境はそれぞれ違い、その年の天候にも左右され、1年に1度の栽培の中で見出す事も至難の業でありますが、不可能ではない事に確信が持てました。

 これまで、農業技術は、行政や機械メーカーなどが主でありましたが、農業者自らが取り組む事に意義があり、金融機関、応援者皆様のご支援があったからこそ出来た実証試験である事を心から感謝申し上げます。

いずれ確立した技術は、パズルのように荒れ果てた休耕地を緑一色の景色に変え、次の世代へ、夢のある農業へと導く事ができれば幸いです。

    水稲生産
    「稲のことは稲に聞け」・・・名言ですが、誰でも聞けるものでもない。 農業は1年に1度しか栽培できない作物が多いのです。つまり30年経験しても30回しか作れないのです。 だから難しく、進歩が遅いのです。

    水稲湛水直播(散布)栽培とは

(1)育 苗

育育専用箱に土を入れ、水をかけ、種を播いて、覆土した育苗箱をハウスや畑に並べて温度管理や灌水を約1カ月間行います(2)田 植

育った苗箱を田んぼに運び、田植え機に載せて植え付けを行います。

 直播栽培は(1)(2)の工程が無くなります。

 ※直播栽培・・・直接水田に種を播く

 メリット  多くの労働力を必要とする作業(育苗+田植) が無い  およそ37%のコスト削減   

 デメリット 減収穫量(技術の確立がまだできていない)

  (課題)発芽不良、苗立不良、鳥害、雑草対策(幼苗は除草剤の薬害が出やすい)

  (高成績の圃場)水田が均平である。水持ちが良い。  

 

  慣行移植栽培   育苗   耕耘    代掻    田植

  直播栽培     ×     耕耘   代掻    ×     播種(無人ヘリ・ドローン)  

 

☆食味に関して・・・   

令和2年産直播栽培の精米商品をECサイトにて5月~7月の間に1500商品 不特定多数の消費者の皆様に販売を通じて食味評価を頂いた。  結果、非常に高評価を頂いた。

一般的に、直播栽培は1粒が1株に育ち、稲穂の出そろうまでの期間が長く、登熟にムラが出て品質を落としやすいと言われていますが、1株に4・5本苗を密植するこれまでの田植(移植)栽培に比べ、1粒1粒が自由に育ちストレスが少ないとも言われる。

 また、当地域において、移植栽培に比べ直播栽培は、出穂が1週間以上遅くなり、8月の夏季の高温下を避けて登熟する事が食味を向上させる要因の一つであると考えられる。

 

    収穫から製品までの一元管理

    籾乾燥調製 

  • 実った籾を水田から収穫して、籾のまま籾乾燥調製施設(通称ライスセンターと呼ばれている)に
    運び、乾燥機にて籾のまま乾燥して、玄米水分を製品によって14.5%~15.5%に仕上げます。
    万一玄米に異物が混入しないように、金属や石等を取り除く装置があります。
    また、玄米の選別網は1.90mm~1.95mmを使用しております。

    農産物検査

  • 籾乾燥調製施設から出来上がった玄米を農産物検査します。
    検査は登録検査機関の検査員が判定します。
    玄米を出荷袋(30㎏)またはフレコン(1000㎏)に詰めて、登録農産物検査機関に検査申請を行い、
    検査を受けます。

    食味分析・穀粒判定機による自主検査

  •  食味分析及び穀粒判定機を使用した自主検査を行っております。 
    収穫後、品種・ロット別の抽出サンプルを食味分析器等にて計測します。
    その年の天候や品種・生育・肥料との関係データを蓄積し、より優れた農産物の生産に役立てます。

    精米工場

  • 精米は2ライン設置しております。
    原料が少ロットであると品質のブレが発生しやすいので、当方では1000㎏フレコンを主に使用しております。
    精米機は、乾式無洗米方式を採用しています。
    非常に米糠の付着が少ないので、米糠の酸化による食味低下も少ないです。
    2ラインとも、石抜き・マルチ選別(異物・着色・変色の除去)を採用しております。 

    残留農薬・放射性物質の残留検査

  • 毎年収穫後、サンプル抽出して外部機関に分析を委託しております。
    測定結果は、毎年公開しております。
    お米の栽培から商品ができるまでの作業